注文住宅の間取りを決める際には、風水の考え方を取り入れて部屋を配置する人も多いです。家づくりに関わる風水の基礎知識を身に付けておけば、間取り決めで悩んだときの参考になるでしょう。今回は、家と風水の関係性や具体的な間取り決めのポイントに加え、風水を取り入れる場合の注意点についても解説するため、ぜひ参考にしてください。
家と風水の関係性
注文住宅を購入する際は、風水にもとづいて間取りを決めたいという人も少なくないでしょう。ここでは、風水の概要や家と風水の関係性についてくわしく解説します。
風水の概要
風水は環境や方角の条件でよい運気を呼び込んだり、悪い運気を避けたりするための考え方です。風水が誕生したのは中国の晋の時代であり、天・人・地の3つの気が調和することを大切にしているのが特徴です。
伝統的な風水には2つの種類があり、亡くなった人を埋葬するために使われる隠宅風水・住宅などの建物の吉凶を判断する陽宅風水に大別されます。現代の人々は、風水と聞くとほとんどの人が陽宅風水を思い浮かべるでしょう。
風水と家相の関係
風水と混同されやすい言葉に家相が挙げられます。中国で生まれた風水は土地の良し悪しを判断するものであるのに対し、日本で生まれた家相は間取りや使用を決める際の統計的な考え方を指します。
家相は中国の風水をベースにして日本独自の考え方に変化させたものであるため、厳密には同じものではありません。また、日本で広まっている風水は、中国の本来の風水と比較すると占い的な考え方が強くなっているともいわれています。
風水の考えを取り入れた間取りとは
注文住宅の間取りを決める際には、風水の考え方を取り入れるのもおすすめです。ここでは、玄関やリビングなどの各部屋の配置について風水の観点からくわしく解説します。
玄関の位置
風水では、玄関は北東・南西を避けるのがよいとされています。午前中に日光が当たる場所が吉相であるため、方角的には東側・南東側に配置する間取りがおすすめです。道路との位置関係で東側・南東側に玄関を配置するのが現実的でない場合には、北側・西側・南側などに配置するのがよいでしょう。
リビングの位置
リビングは、風水的な観点では東側・東南側・南側に配置するのがおすすめです。また、リビングに取り込まれた陽の気を家中に流すという意味から、リビングを起点として他の部屋につながっているような間取りを意識するのもよいとされています。
キッチンの位置
風水では、トイレ・浴室はよくない運気が集まる場所であると考えられています。そのため、
キッチンがトイレや浴室と対面しないような間取りを意識するのがおすすめです。また、キッチンの扉正面に冷蔵庫を配置するのを避けることで、家族の胃腸を守れるとされています。
階段の位置
風水の観点では、階段は位置を問わず吉とされない場所です。中でもとくに避けるべきであると考えられているのは、中央階段や鬼門方位の階段、玄関すぐの直線階段、南・西に上がり切る階段です。運気を上げるポイントとして、階段の空間をできるかぎり明るく保つことが挙げられます。
寝室の位置
寝室は家族の疲れを癒やす大切な場所です。方角的には北側・南東側・東側に配置するのがおすすめです。また、朝日が入りやすく西日が入りにくい場所を選択するとよいとされています。
家に風水を取り入れる場合の注意点
注文住宅購入時の間取り決めに風水の考え方を取り入れることには、いくつかの注意点を把握しておくことも重要です。ここでは、家に風水を取り入れる際の注意点についてくわしく解説します。
方角以外の観点にも目を向ける
風水と聞くと、方角のほかに色使いをイメージする人も少なくないでしょう。実際に風水の考え方では方角と同様に色使いも重視されており、各方角・各空間別におすすめの色が決まっています。
風水を意識して間取りを決めるのであれば、方角のみではなく色使いにも注目してみましょう。
掃除のしやすさにもこだわる
風水では、掃除が行き届いていない不潔な場所に悪い運気が溜まりやすいと考えられています。そのため、開運を呼び込むには清潔を保ちやすい間取りやインテリアを意識することも重要です。また、整理整頓が苦にならないように収納スペースを十分に確保することもポイントとなります。
実際の生活をイメージする
間取り決めに風水を取り入れることを意識しすぎて、暮らしづらい家になっては本末転倒です。実際の生活を具体的にイメージして、家族が住みよく過ごせる家づくりを第一に考えましょう。
まとめ
今回は、家と風水の関係性や注文住宅の間取りで意識したい風水のポイントについてくわしく解説しました。風水は環境や方角の条件でよい運気を呼び込んだり、悪い運気を避けたりするための考え方であり、中国が起源となっています。現在の日本で伝わっている風水は占い的な要素も含まれているものの、家づくりにおいては各部屋の配置や色使いなどで取り入れられています。具体的には、玄関は北東・南西を避ける、リビングは東側・東南側・南側に配置するなどの間取りのポイントがあるため、間取り決めの参考にするとよいでしょう。ただし、風水の考え方にこだわるあまり、住みにくい家になってしまっては意味がありません。家族の住み心地・暮らしやすさをベースとして、風水の考え方を追加するという意識で間取りを決めるのがおすすめです。
